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Coronavirus PEACE Project

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新型コロナウイルス検査の課題解決に挑む

新型コロナウイルスで大きな社会変革がおこりました。全世界でのパンデミックで、日本における検査の課題も明らかになり、今後人類が直面しづけるであろうウイルスとの戦いに、自国で対応できる次世代型の検査体制の構築が必要です。アカデミアが持つこれまでの研究成果を社会課題解決のためにつなげていくことは非常に重要と考えています。

当研究室では、創薬やバイオマーカーの開発を行い、がんや認知症などの早期発見検査の方法の開発などを行ってきました。テロメアを測定する技術では、JSTの支援で自動化を進め、自動機の開発とベンチャー企業での実用化まで行ってきた経験があります。血液などの体液中のマイクロRNAなどを用いて、がんの早期発見バイオマーカーの開発も行ってきました。広島大学の自立型拠点として、創薬・バイオマーカー拠点を2017年に設置し、様々な疾患のバイオマーカーの開発を行ってきました。これらの経験を、新型コロナウイルスの検査の自動化に生かした研究を開始しました。

新型コロナウイルス検査の課題とは

  1. 鼻咽頭ぬぐい液、唾液、血液などの臨床検体は、検査時(特に検査前工程の前処理過程)に検査技師の感染リスクが高い。

  2. 1日に出来る検査数は、検査を行う技師の人数に依存している。

  3. ​欧米に比較して自動化が遅れている。

  4. 多検体検査では検査ミスの可能性が高くなる。

  5. PCR検査のみでは、偽陽性、偽陰性をゼロに出来ない。

  6. 気道内にある新型コロナウイルスの死骸を検出してしまう偽陽性を排除できない。

 

新型コロナウイルス検査の課題の解決に向けて

  1. 感染性のある検体(拭い液、唾液、血液)を不活化(ウイルスの感染力をなくす操作)する検体の前処理を自動機によってオートメーションする。→検査技師の感染リスク低下、多検体可能

  2. 検体の前処理過程以降のRNA精製、PCRを自動化する。→多検体検査可能(384 sample/1回)1回、約1時間

  3. PCR検査での判定が困難な場合(ウイルス量が少ない場合)、偽陰性、偽陽性の可能性があるため、次世代シークエンス解析でのウイルス配列の確認

  4. ウイルスが生きているかどうかを、細胞培養系を用いたウイルスのバイオ活性測定(ウイルスが増えてくるかどうか)し、生ウイルスがあるかを測定する(約2日)→PCRなどで判定が難しい場合でも、感染性のあるウイルスがあるかを日程度で確認出来る。

  5. ​疫学研究に使用できる抗体検査の多検体自動化も進める。                

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